市立釧路図書館のブログ

北海道釧路市幣舞町4-6にある市立釧路図書館のブログです。ウェブサイトはhttps://lib.city.kushiro.hokkaido.jp/からご覧いただけます。

本を探そう!~請求記号をみてみよう~

市立釧路図書館のサービスをご紹介した「はじめての市立釧路図書館」シリーズ、いかがでしたか?ぜひ館内をまわってみてくださいね!
今回からは館内に溢れる本の山から、お目当ての本を探す「コツ」をご紹介する「探し方・調べ方」シリーズです。初回は「背ラベル編」。それではご一緒に、図書館探索の第一歩を踏み出しましょう!


図書館の本って、どうして本屋さんみたいな並べ方じゃないんでしょう。
書店員さんはお客さんに買ってもらえるように本の魅力を引き出すプロデューサー。だから、本が魅力的にみえるように工夫します。表紙が見えるように並べたり、一緒に買ってもらえそうな本を近くに置いたり。
一方図書館は、絶版本も含めていろんな本が棚に並びます。新品ばかりではないけれどタイトル数は桁違いなので、探しやすさ優先。「同じテーマの本」をまとめて並べることを重視します。

とはいえそんなに本があったら探せない!ので・・・
「背ラベル」の出番です。背表紙の「背ラベル」にお気づきでしょうか。背ラベルにはかならず「請求記号」がかいてあって、実はこれが本の住所。「本の内容」を数字で表したものなんです。図書館の本はこの請求記号の順番に並んでいます。
背ラベルには数字が3つぐらい(たまにアルファベット)ならんでいて、背ラベルが2段のものはとなりに、3段のものは真ん中の段にカタカナかアルファベットが1文字、一番下の段にはアルファベットが1つ。時々数字があるものも。

肝心の読み方は?
最初の数字の並びが「分類番号」で本のジャンルをあらわし、真ん中は「著者記号」といって著者の名字の頭文字で、宮川さんなら「M」鈴木さんなら「S」。一番下は「巻号」「所蔵館」。数字がある場合はシリーズや上下巻、西暦がかいてあれば定期的に出版される本など。アルファベットが「H」「G」「F」「I」「K」のいずれかなら分館分室の本です。
一番のポイントは「分類番号」。3つの数字は左から大・中・小の分類になっています。
たとえば左の数字が「4」だと自然科学・・・これだとあまりに大雑把!なので、自然科学を「40」~「49」までさらに10にわけて、「41」は数学・・・「49」医学。それでもまだわかりにくいので、「49」をさらに10に。これが右端の数字になるわけです。「491」が基礎医学、「492」が臨床医学、診断・治療・・・かなり絞り込めますね。もっと細かく分類することもあって、たとえば「496」が眼科・耳鼻咽喉科学、「496.45」が色覚という具合。
それにしても医学は難しい・・・ということで一般閲覧室では病気の内容ごとにシールをはっているので、こちらも参考にしてみてくださいね!
次に名字の頭文字、「著者記号」をチェックします。著者や編者が本に書いていないものは出版社の頭文字をとっています。

このように図書館の本は0から9までの数字の組み合わせで世の中の様々なモノ・コトを分類しよう!という壮大なスケールの分類方法によって分類されて並んでいるのです!


さて、ながくなってしまいましたが、いかがでしょうか。数字の意味はちょっと難しいのですが、本の検索機(OPAC)やインターネットで検索すると本の背ラベルにはってある「請求記号」も表示されるので、これを参考にして近くの棚を探してみると、案外探し物がみつかったりしますよ。
「分類番号」についてもっと詳しく知りたい!という方は「続きをよむ」からどうぞ!

 国内のほとんどの市町村立図書館で採用されているこの分類方法、NDC(日本十進分類法)といいます。そのむかしアメリカのデューイさんという人アメリカの図書館用につくったDDC(デューイ十進分類法)などの外国の分類法を基にしてもり・きよしさんが考えました。「日本十進分類法」は時代の流れとともに度々改訂されて、最新のものは新訂9版。現在も10版の内容はどうするのか、議論が続けられています。先ほどの数字ごとにわりあてられた分類項目を記した「本表」のほかに「補助表」もあって、セットで定価6000円(分売不可)。高い買い物ですが、図書館員には欠かせない大事な大事な本なのです。
ウェブサイトでみたいときには、「日本十進分類法」で検索すると、簡単な分類表がさがせますよ。数字3つ程度の分類をさがすときには十分利用できます。


図書館によって蔵書の構成もまちまちなので、だいたいこのNDCを基にして各図書館流のアレンジが加えられます。市立釧路図書館の場合は日本人作家の小説が「F」ですが、NDCでは「913」という数字が定められていたりします。これは市立釧路図書館では日本人作家による小説が多く、利用も多いので、借りる人にもわかりやすいように、ということで「F」で統一しています。
本館3階の郷土行政資料室は地域史料に特化した資料を収集保存するところなので、分類方法も大胆にアレンジされていて、「8」は本来の「言語」ではなく「アイヌ関係資料」だったりします。釧路の主要産業である炭鉱・パルプ(製紙)・漁業については本の種類が多いので、分類番号が長いものもあります。
各階とも、棚のところにジャンルの案内パネルがありますので、そちらを参考にしつつさがしてみてくださいね!