市立釧路図書館のブログ

北海道釧路市幣舞町4-6にある市立釧路図書館のブログです。ウェブサイトはhttps://lib.city.kushiro.hokkaido.jp/からご覧いただけます。

「姉妹都市ゆかりの3人の作家紹介」特集 第3回

こんにちは。いつもご利用ありがとうございます。

釧路もだんだん肌寒くなってまいりました。みなさん、ぜひ暖かい服装でお越しください。

 

さて、特集の第3回・締めを飾るのは、釧路ゆかりの歌人「石川啄木」です。

 

石川啄木 (1886年~1912年、本名石川一。)

石川啄木岩手県出身。県南の村に生まれた啄木は、幼いころから病弱でしたが成績優秀で、盛岡尋常中学校に進学しました。中学校では、上級生に金田一京助野村胡堂がおり、啄木も文学に親しみました。また、後の妻となる節子と出会ったのもこの中学校でのことです。その後文学や恋愛に夢中になり自主退学した啄木は文学の道を志して上京するも生計を立てることができませんでした。

そんな啄木が釧路に来たのは明治41年。職を求めて北海道に来道し、その後道内を転々とした啄木が最後に降り立ったのが、ここ釧路の地です。

啄木が釧路に来たときも、季節は冬でした。今より寒い、1月のことです。鉄道も開通まもない北海道の東の果て(当時、釧路は終着駅でした)に降り立った啄木は、

 

さいはての駅に下り立ち 雪あかり さびしき町にあゆみ入りにき

 

と詠んでいます。それから約2ヵ月と半月のあいだ、啄木は釧路に滞在しています。仕事は新聞記者。妻子を残してひとり単身赴任してきた啄木は、芸妓小奴との恋や、阿寒の山々、流氷や冬の海などの情景をその歌に残しています。

その後、新聞社での人間関係や文学への情熱から啄木は北海道を離れ、再び上京します。そして北海道の地を踏むことは二度とありませんでした。

 

釧路市には啄木の歌碑が市内各所にありますので、それらしい碑を見かけたらぜひ足を止めてみてください。特にこれからの季節、啄木のいた明治の釧路を想像できるかもしれません。