市立釧路図書館のブログ

北海道釧路市幣舞町4-6にある市立釧路図書館のブログです。ウェブサイトはhttps://lib.city.kushiro.hokkaido.jp/からご覧いただけます。

「釧路ゆかりの作家たち」特集 第2回

ブログ連載第2回目は一般閲覧室より釧路にゆかりのある女性作家を2名ご紹介します。

 

まず一人目は「原田康子」さんです。

1928年東京生まれ。釧路市立高等女学校卒業。東北海道新聞社の記者を経て作家に。「蠟涙」で女流文学賞受賞。その中でも、「挽歌」は70万部を超えるベストセラーとなった代表作。同人誌『北海文学』で1955年6月から10回にわたって連載された作品で、その人気は北海道だけでは留まらず、映画化やドラマ化の影響から全国にも「挽歌」ブームを巻き起こしました。

 

所蔵作品

「海霧 上・下」 講談社

明治の幕開き早々から昭和初年までの北海道釧路を舞台にした大河小説。きびしい自然と時代の変動を背景に、男たちがいかに生き、敗れ、女たちは運命のくびきのもと、どのように生活者としていっさいを支えたかを描く。

 

原田康子 「挽歌」から「海霧」まで」北海道新聞社 請求記号:910/H

ふるさとは霧と湿原…。50年以上に及ぶ作家生活のなかで、そのたぐいまれな文才を発揮し、多彩な作品を世に送り出した原田康子の足跡を辿る。秘蔵写真、ロング・インタビュー、決定版年譜も収載する。

 

続いて「桜木紫乃」さんです。

1965年北海道生まれ。「雪虫」で第82回オール讀物新人賞、「ラブレス」で第19回島清恋愛文学賞を受賞。そして、道東の湿原を背に建つラブホテルを軸に、ホテル経営者とその家族、出入り業者、客など、そこに集う人々の生き様を絡めた短編連作小説「ホテルローヤル」は、現実とホテルの間に滲む登場人物たちの心の揺れを繊細に描いたこの作品は高く評価され、第149回直木三十五賞を受賞し、話題となりました。

 

所蔵作品一部を紹介します。

「氷平線」文藝春秋

こころも身体も乾いている-。跡継ぎを作る重圧、ムラの男に身体を売る女性、東南アジアから嫁として買われてきた少女など、北海道の生活観溢れる性を女性の視点から淡々と描く。表題作ほか全6編収録。

 

「起終着駅(ターミナル)」小学館

鷲田完治が釧路で法律事務所を開いてから30年が経った。鷲田にとって、釧路地方裁判所刑事法廷、椎名敦子30歳の覚醒剤使用事件は、9月に入って最初の仕事だった…。現代人の孤独とその先にある光を描いた短編集。2015年映画化。

 

このほかにも多数所蔵がありますので、お気軽にスタッフにお声掛けください。