市立釧路図書館のブログ

北海道釧路市幣舞町4-6にある市立釧路図書館のブログです。ウェブサイトはhttps://lib.city.kushiro.hokkaido.jp/からご覧いただけます。

「分野別本の探し方~一般編~」特集 第2回目

こんにちは!さて、前回に引き続き、「本の探し方」をご紹介します。
今回はNDC(日本十進分類法)の「3」の分類にどんな本があるのかご紹介します。

その前に、まずは前回のおさらい。NDC(日本十進分類法)は世界中のあらゆるものを、0から9までの10個の数字のどこかにあてはめて分類する方法でしたね。前回は「0(総記)」「1(哲学)」「2(歴史)」。

今回は「3」。NDCでは「」は「社会科学」!
んん、なんだか突然難しそうな言葉・・・一体どんなジャンルでしょう
答えは意外と簡単。後ろの「科学」をはずしてみてください。そうしたら、「社会」になりますよね。「3(社会科学)は「社会」のこと。学校でいうと、社会科です。高校などの場合は、地歴・倫理を除く社会系・・・公民・経済あたりでしょうか。


びろーんとさらに詳しい分類をひろげてみると・・・

300:社会科学一般
310:政治
  311:政治学.政治思想,312:政治史・事情 ・・・など
320:法律
  ・・・323:憲法,324:民法,325:商法 ・・・など
330:経済 →経済や経営に関すること
  ・・・336:経営管理,337:貨幣.通貨,338:金融.銀行.信託 ・・・など
340:財政 →お金に関すること
  ・・・344:予算.決算,345:租税,347:公債.国債 ・・・など
350:統計
  351:日本,352:アジア,353:ヨーロッパ ・・・など
360:社会
  ・・・364:社会保障,365:生活・消費者問題,366:労働経済.労働問題 ・・・など
370:教育
  ・・・378:障害児教育,379:社会教育 など
380:風俗習慣.民俗学.民族学
  ・・・385:通過儀礼.冠婚葬祭,386:年中行事.祭礼 ・・・など
390:国防.軍事
  391:戦争.戦略.戦術,392:国防史・事情.軍事史・事情 ・・・など

・・・こんな感じ。


例えば、「隣り近所の法律知識(2012年第2版)」(自由国民社.2012)は法律に関する本なので、[320/J/'12]。末尾(ラベルだと、下の段の右側)の「'12」は2012年版の意味です。
この時期気になる「年金生活者・定年退職者のための確定申告(平成25年3月締切分)」(技術評論社.2012)は「お金」、なかでもとくに「税金」に関する本だから[345/G/'13]。
「ゼロから教えて発達障害」(小野寺敦子/著.かんき出版.2012)は「教育」、なかでも「障害児教育」の本だから[378/O]。
「知識ゼロからの喜ばれる贈り物のマナー」(岩下宣子/著.幻冬舎.2012)は「風俗習慣」の本で、とくに「冠婚葬祭」に関する本だから[385/I]。他にもマナーやエチケット、お葬式とお墓、ウェディングのアレコレはこのあたりです。

なんとなぁくイメージがわきましたでしょうか?普段あまり意識しないけれど、生活しているとときどきであう問題を解決してくれる(かもしれない?)のが、「3」の「社会科学」に分類される本なのです。ぜひ参考にしてみてくださいね!


最後にちょっとした豆知識を。上の「3」の分類で、「345」からとんで「347」になっていることにお気づきでしょうか。わざと抜かしたわけではなく・・・「346」は「空白」、割当がないのです。実はこうした空白は他にもあります。何しろ、NDCは「世の中のありとあらゆる事柄」を分類しなくちゃいけません。そこでNDCを作成した人たちは、後々の世の中には、現時点では分類できないような新しい事柄が生まれるはずだ!と考えて、ちょこっとだけ隙間をあけておいたのです。こうすれば、後から新たな分類項目を増やすことができますよね
現在最新のNDCは「新訂9版」。実はすでに、次なる改良版「10版」を目指して議論がすすんでいます。10版ではどんな変化がまっているのかな?今から楽しみです!(ん?マニアックすぎますか?)
ちなみにNDCの分類について詳しく書かれた「日本十進分類法」という本は図書館員必携。誰でも購入できますが、ちょっとお高いので、図書館について書かれた本や図書館情報学の本を借りてみることをオススメします